麓山信仰(ハヤマ)
奥羽地方に多く伝わる信仰で、麓山、葉山、端山などの字が当てられています。本来の山に対する信仰のほかに、仏山と呼ばれ、祖霊信仰とも捉えられています。
【麓山神社】
郡山市と猪苗代町の堺付近に位置する麓山は古くから信仰の対象となり、猪苗代湖周辺には麓山神社を号する神社が複数鎮座しています。
〈主な麓山神社〉
祭神 大山祇神
○福島県猪苗代
静岡浅間神社の境内
祭神 静岡浅間神社の主祭神の木之花咲耶姫命の御父神である大山祇命、配祀として日本武尊を祀っています。
浅間神社よりまえの創建とされていますが、創建年は不明です。
富岡町の麓山神社の火祭りは、神社の記録が江戸時代に焼失してしまったために起源が不明となっています。
福島県内に広く伝わる「ハヤマ信仰」の典型例として、また、県内でも大松明に火を燈すことに特色ある神事として福島県の指定重要文化財に指定されています。歴史は350年以上、白足袋に鉢巻、上半身裸で鉢巻き姿の若者 約50人が、御神火(ごしんび)を受けた30~40kgの松明を担いで本殿の前に勢揃 い。燃え盛る松明からの火の粉を降り落としながら、「千燈(せんどう)、万燈(まんど う)」の掛け声とともに一斉に真っ暗な山道をかけ登り、麓山山頂(標高230m)にある 奥之院をめざし五穀豊穣・家内安全を祈願する祭です。
羽山は標高897.1mの昔から信仰のあった円錐形の山です。春には山ツツジ、レンゲツツジ、スズランが参道から頂上にかけて咲き誇り、訪れる登山客の目を楽しませてくれます。
羽山のふもとは『羽山りんご』の生産地のため、春にはリンゴの白い花が一斉に咲き高原らしさを醸し出しています。
【麓山信仰と修験道】
青木山 麓山神社
古代日本の中心であった奈良盆地でいえば、南東部に位置する三輪山、二上山などは、「奥山や深山に対していう」端山・麓山にあたります。
東北地方南部には、人里近い低山。端近い小山に葉山神社(葉山社)・羽山神社(羽山社)・麓山神社(麓山社)を祀っているところが多くあります。
平成16年7月1日、大峯山・熊野三山・高野山の三つの霊場と、大峯奥駆道・熊野古道・高野山町石道の三つの参詣道が、「紀伊山地の霊場と参詣道」として、ユネスコの世界遺産に登録されました。修験道は、日本古来の、そして現代にも息づく宗教であり、日本文化の一端を担う存在でもあるのです。
【あざみの趣味】
今週は下がり飾りを作りました。
ビーズを使い、スダレに吊るせば、夏でも飾れます。