山岳信仰と言うより、古代信仰の三輪山です。
奈良県桜井市
奈良盆地な南東部に位置し、標高467.1m、周囲16㎞、別名三諸山とも呼ばれています。
大神神社は三輪山を御神体とし、神殿には本殿がありません。自然そのものを信仰する古神道の信仰形態で、神社そのものが、古い時代から続いているとされています。
『古事記』や『日本書紀』にも、大物主神の伝説が記載されています。高校生のときに学んだ記憶があります。三輪山が神の鎮座する山と崇められています。現在は日向神社が三輪山の西麓にあり、頂上に高宮社があり、日向御子神を祭神としています。日向神社も高宮社も大神神社の摂社です。
三輪山は古代より人々の心の拠り所でありました。山麓には大きな古墳があり、大和政権の初期王朝があったと考えられています。崇神天皇、景行天皇の御陵があるとされています。
三輪山には3箇所の磐座があり、頂上の磐座が奥津磐座、中間が中津磐座、下方が辺津磐座と呼ばれています。大神神社の祭神は大物主大神ですが、大己貴神と少彦名神も配神とされています。
それぞれの神の磐座とされています(大三輪鎮座次第)またその他に山ノ神岩陰祭祀跡、大神神社禁足地遺跡、狭井神社西方の新境内地遺跡などがあります。山ノ神祭神遺跡のレプリカは國學院大学博物館に展示されていますが、本来はおびただしい量の遺物が埋納されていました。三輪山の神は農耕神としての一面もあると見てとれるようです。
三輪山は古くから「神宿る山」とされ、三輪山そのものが神体であるとの考えから一般には禁足地となっていました。明治以降は「入山者の心得」が定められ、現在においてはこの規則を遵守すれば誰でも入山できるようになっています。
現在でも三つ鳥居から辺津磐座までは禁足地であり、三輪山に参拝する際には麓の大神神社の拝殿から拝みます。登拝を希望する場合はある一定のルールが定められ、届けが必要です。逆に考えれば大神神社の祭祀の日以外は、一般客も入山可能になっています。
また三輪山には古代から聖水思想があったとする説があります。