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山岳信仰 岩手県 室根山

 

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室根山はかつては、鬼首(おにこうべ)山」と呼ばれていました。牟婁峰山と改め、神号を牟婁根大権現とし、室根山となりました。

北上山地の南端、市の東部にそびえる室根山。古代から信仰の山として崇拝され、なだらかな裾野を引く山容は「小富士」と裡称され、三陸の沖合を行く漁民たちの、海上安全、大漁祈願の信仰の対象となっています。

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【室根神社】

 室根山の8合目の室根神社は、神輿(みこし)を担ぎ降ろす「荒祭り」として有名で、閏年の翌年の旧9月19日を大祭日としています。8合目付近に鎮座する室根神社本宮・新宮の境内西側に、石造三十三観音像が安置されています。

これらの観音像はいずれも彫りが深く、傍らの石塔には、安永5年9月奉納の文字と併せて、願主「松壽院」以下35人の名前も刻まれており、その中には石仏を制作したと考えられる仙台の石工2人も含まれています。


三十三観音とは、法華経に説かれるように、観音菩薩があまねく衆生を救うために、相手に応じて「仏身」「声聞身」「梵王身」など、三十三の姿に変化した姿であるといわれています。この三十三観音信仰は、日本では近世になり庶民の間に広まったとされており、ほぼ同時期にこの地方においても信仰されていました。


昭和59年に旧室根村教育委員会から発刊された「室根山三十三観音」によると、これらの石仏群の蓮台下から光背頂までの高さは69.0~80.5センチで、一体を除いて舟形の光背が彫られていました。また、本来含まれる三十三観音に代わり、8体が天台・真言六観音と子安観音に入れ替わって構成されていることがわかったようです。

これらの観音像は、当地方の信仰を知る上で貴重な石仏群として平成10年、室根村の有形文化財に指定され、現在は市の指定文化財として引き継がれています。時には敬虔な信仰心によって赤い頭布で着飾られ、現在でも信仰は繋がれています。

 

山頂からは、近くは北に臥牛状の五葉山、とがった愛染山、手前に種山の続きの大鉢森山が見えるます。下りは千年杉やヒノキなどの樹間の表参道を下り室根神社へ。

 

 

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