おはようございます。昨日、婆様たちと楽しんで来ました。皆さんお元気そうで、ほっこりして来ました。気になるのは、昔の同僚たちの消息、皆んなどんな暮らしをしているのか、情報交換の場になりました。
さっと、思い出す人たちの消息を聞き、コロナ禍に入り、大幅なリストラをしたと知りました。なんだか身につまされます。子育て中の営業マン、優しく大人しい事務員さん、人の価値をどうやって測ったのか、社長の苦悩。
「えー、社長に苦悩なんかないわよ、ワンマンだし、好き嫌いだけでしょ」
そんなことはないと思う。けど、二代目社長はかなり変わった人柄で、掴みにくいのだ。
それなりに、責任感があり、工場では、先代から支えている定年を過ぎた方たちが、バリバリ働いている。首を切れないのだ。頼りにしている節もある。でも、老人達は社長の批判をする。先代と比較する。たまらんなあ。
と、私は常々感じていた。「人情味はあるよね」「ないない」すかさず、皆に否定された。変わり者、ワンマン経営者の末路は果たしてどうなることやら、ため息を付いてしまった。
「あんたも、変わっているからね」矛先がこちらに向いた。
「焼き餅よ、気にしないの」
囁いたのは、初めて仕事を教えてくれたおばちゃんだった。すごく優しくて、時に強くて、大好きな先輩だ。空気の流れを常に正しく把握する人だと思う。
私は基本群れない、1人で居る方が楽だった。
でも、会社では群れから外れると狙われやすい。つかず離れずやり過ごしていた。皆とランチは行かない。社会は、よく分からない人を敵とみなす傾向にあることは、分かっていたけど、それよりも煩わしさは私を混乱させる。
このおばちゃんと、もう1人、今日は参加していないが、危ない私をはらはら見ていて操縦していた先輩。「それ以上、言わないで」「はいはい、もうおしまい」
適当なところで、助け船を出してくれた。ワンマン社長に詰め寄ると、強く押さえて席に座らせる。
いずれにしろ、病気を理由に退職できたことは、ラッキーだった。それからコロナ禍に入り、社会は大きく変わった。会社の終焉ドラマを見なくて済んだのだ。ここに集まったメンバーは、高みの見物をしている同じ桟敷に座る中間なのだ。
これもちっぽけな人生で、皆が大きく変わらざるを得なかった。高みの見物をしている私も、都落ちだ。個人経営者も、中小企業も、規模こそ違えど転換期だ。
篩にかけられている。しかし、篩の目は粗く、大企業の思うがままだ。大企業は内部留保をしつつ、共に働いた中間をリストラし、生き残る。ますます広がる社会の格差を、自然淘汰だと見る桟敷席の私。
「そろそろ、財閥解体かねぇ」
「あんた、それ以上言わないのよ」
後ろからの声に口をつぐんだ。
久々にお仲間に会い、社会に属していた頃を思い出しました。
♪そんなの関係ない
人口1800人の社会に生きるのだ。なんか、笑いが止まらない。