azamiの趣味 離島生活

きしべのあざみ この頃の趣味

縁とはなんぞや 

縁と言う言葉をググってみた。

1 《〈梵〉pratyayaの訳》仏語。結果を生じる直接的な原因に対して、間接的な原因。原因を助成して結果を生じさせる条件や事情。「前世からの縁」

なんて解説から10項目も解説されていた。たった一文字なのに、我々日本人はよく使う言葉です。

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私は縁と言う言葉を体感しています。

65歳、ここら辺りの年齢になれば、皆さんもこの言葉は感覚的に知っているはずです。縁を感じる出逢いとか、縁がある人と言えば、思いあたる人が浮かぶ筈です。

 

ところで、以前住んでいた杉並区清水は、いわさきちひろ美術館にそう遠くないところでした。上井草、ひと駅です。私も昔からちょこっと文章を書いたりしていますが、自然あふれるお庭をみたとき、こんな場所からあの素敵な絵が生まれるのか、と作品と生き方は一致していると妙に感じいったのでした。

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そして、童話や絵本に縁がある土地で暮らすことを嬉しく思いました。あの頃は文章を書いては投稿していた時代です。書く作業は孤独な作業で、たとえ微かでも何かとつながっていることが重要だった。

 

で、今度鍼とお灸に通っているお向かいの先生のお母様です。私が一目惚れをしてしまった素晴らしい方です。なんと言ったらいいのか、型破りの自然体。引っ越した日の初めての挨拶が『まことだよ』え?『まことと呼んで、久しぶりに楽しくなるわ、今どき引っ越しの挨拶に来てくれるなんて、嬉しいわ』つぶらな瞳を見開いて、満面の笑みです。畑作業をしていたのか、服は泥だらけ。正確にはお庭で作業をしていたらしいのです。こんなシンプルな人は無条件で大好きです。

 

しかし、話すうちに、ただ者ではないと感じていました。もしも、なにかあった時の予防策として、失礼にならない程度に距離を保とうと考えました。例えば、お惣菜のお裾分けは、本当においしい物だけ、ジャムなら旬のジャムを、うどんは滑らかに打てた時たけ、それを大層喜んでくれました。まことさん自身も料理を人に振る舞うのが好きだと聞いていましたけど。

 

まことさんの料理は、テキトー! ジャムは渋いし、煮物はアクが強い。たぶんそんなことははなから気にもとめていないのです。自然のものが口に入ればそれがよし。人は人、自分は自分。でも私はその境地には立っていないので、それは出来ないのです。

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まことさんと、いわさきちひろさんの繋がりを知ったのは、黒姫山荘と言うキーワード。まことさんが黒姫山荘に遊びに行くと、呟いたときに、なにか、ドキッと琴線に触れました。

「黒姫山あたり、懐かしいな」

「あれ、信州知ってるの? あたしもよく行くんだよ」

あの時には信州の自然について話しました。

 

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でも、黒姫山荘は何故か引っかかる。それからしばらくして、いわさきちひろさんのコラムを読んでいたら、黒姫山荘に籠り執筆したとあった。

更にググルと『黒姫山荘を紹介します』と言うタイトルにぶつかった。


絵本作家として有名な いわさきちひろさんが、アトリエを兼ねて建てた別荘。
設計は、吉村順三先生のお弟子さんである奥村まことさん。

『あっ、まことさんて、やはりただ者ではない』

 

85歳女性建築士。1930年に東京・練馬区中村橋で生まれる。1954年東京藝術大学美術学部建築科卒、同年吉村順三設計事務所入所。1972年奥村設計所(後の木曽三岳奥村設計所)設立。2月11日に中村橋の自宅で、すうっと眠るように逝去。 


プロフィールが公開されています。藝大出の女性建築士、多分珍しい存在、先駆者だ。

 

黒姫山荘の設計をまことさんがしたのだそうです。設計とたしか施工まで手掛けたらしいのですが、私にはよく分からない。ただ、まことさんと親交が合って、今も家族と繋がっていて、不思議なご縁で私はまことさんの庭でふきのとうをとったり、娘さんと話したり、婿殿の治療を受けながら、たくさんの話題に花を咲かせます。

 

ご近所さんに、童話や絵本を語る相手がいるなんて、面白いご縁だなあと、一方的に不思議なご縁を感じました。わずか数年の間に話したことは、キラキラと強烈な光を放ちます。

 

今日、先生の車がないので車検かしらと尋ねたら『黒姫に行くから、整備している』あー、お話が繋がるのです。いわさきちひろさんのプライベートを覗き見しているような感じ、私はまことさん曰く最後の友達。

https://www.chilchinbito-hiroba.jp/column/makoto/

本当に人に対する差別意識をもたずに、明け透けに話す方でした。

 

私の老後の良い指標になっています。まことさんのお別れ会は、あまりに立派な方々が参列していて、声を掛けていただきましたが臆してしまい、参列出来ませんでした。

 

三年か四年の短いご近所さん、素敵な出逢いに感謝します。もっと長く友人と紹介されたかったなあ。

 

縁として考えると、たった1日でも縁があり固い繋がりを持ったり、縁がなく、破談になったり、縁とは時空を超えた繋がりのことだと、私は理解しています。

 

良縁は得難いもの也

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