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山岳信仰 岩木山

 

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岩木山は青森県弘前市、西津軽郡鯵ヶ沢町に位置します。標高1.625mの火山です。

青森県最高峰で、日本百名山、新日本百名山に選定されています。


山頂に、岩木山神社奥宮があり、山岳信仰の対象になっています。岩木山神社の祭神は、岩木山大神で5大柱の神です。


安寿と厨子王丸の古くから伝わる伝説は、昔話や紙芝居で知る方も少なくないと思います。丹後国の郎党大江時廉の陰謀によって滅ぼされた岩城正氏の子、安寿が岩木山に祀られているため、岩木山の神は丹後国の人を忌み嫌うという言い伝えがありました。


丹後国の人が当地に入ると風雨がうち続く悪天候となり、船の出入りができないとして厳しい吟味が行なわれ、入り込んだ丹後国の人は追い出されたとされています。


山頂の神社奥宮では夏季になると職員が常駐し、お守りや登頂記念の手拭いを購入することができる。岩木山から遠い五所川原市では富士講のように、靄山(標高152m)を岩木山に見立てて参詣する習俗がありました。

 

岩木山神社の例大祭は津軽最大の農作祈願祭で、重要無形民族文化財に指定されています。深夜に山頂を集団登拝し御来光を拝みます。参詣時に唱える言葉は、修験系のもので、2日目の「宵山」では、参拝者たちが白装束に身を包み、登山囃子にあわせて「サイギ、サイギ」と叫びながら、黄金色の御幣や多彩な幟を掲げて岩木山神社を目指します。3日目は朔日山は旧暦8月1日にあたり、参拝者たちは未明からいっせいに登り始め、山頂付近で御来光を拝みます。岩木山神社に登拝の報告をし、バダラ踊りを踊りながら帰宅。バダラ踊りは、登拝を終えた喜びと、岩木山の神霊の力により、登拝者たちに神通力が宿ったことを表しているとされています。

懺悔懺悔(サイギサイギ) - 過去に犯した罪を悔い改める。

六根懺悔(ドッコイサイギ) - 目・耳・鼻・舌・身・意の六根の迷いを捨てる。

御山八大(オヤマサハツダイ) - 観音菩薩・弥勒菩薩・文殊菩薩・地蔵観音・普賢菩薩・不動明王・虚空蔵菩薩・金剛夜叉明王を指す。

金剛道者(コウゴウドウサ) - 金剛石のように堅く不動である信仰を指す。

一々礼拝(イーツニナノハイ) - 八大柱の神仏を礼拝する。

南無帰命頂礼(ナムキンミョウチョウライ) - 神仏に帰依しその意に従う。

下山時の唱文

跋折羅(バダラ、バサラ) - 極端にはしゃぐこと「いい山かげた朔日山かげた。バダラ、バダラ、バダラヨー」といいながらバダラ踊りを踊る。

岩木山神社は神仏習合前は、百沢寺という寺院でした。百沢寺には『岩木山百沢寺旧記』という書が残されており、岩木山の各所のいわれが記録されています。 

興味深いので、載せてみました。

 

左の峰 - 岩鬼山 、 中央の峰 - 岩木山 、 右の峰 - 鳥海山
岩木山は白刃剣に似た峰で、この山の沢に一の滝、二の滝、三の滝がある。
三つの峰の総称は岩城山という。いつも雪が見える。形は富士山に似ているので、俗称は奥小芙蓉という。
昔、この山は外ヶ浜から一夜にして湧出したという。
嶽神園 - 岩鬼山の山頂にある。奇妙な樹木や草、綺麗な岩石がある。めでたい靄が発生し生気に満ちて天女が常に降りてくことを、多くの人が見ている。実に神仙が静養する所で、俗に嶽神園という。
赤倉 - 岩嶽の背に畳の壁のような赤い岩がそびえている。土地の者は古嶽の仙人がいる所としている。その神は喧嘩を忌み嫌うので、参拝者はそこでは黙っている。その昔騒がしくしたものがいて、暴風雨が起き人を害したという。また、ある言い伝えでは昔90歳の老鬼女がここに住もうとした。嶽の神はこれを最初許さなかったが、老女が眷属になってこの山を守るというので、嶽の神はこれを許した、その時の誓文が石の箱に収められ百沢寺にあるという。
鳴沢 - 赤倉山からの沢。流れる水が手を打つような音がすることから、この名がついている。
岩木山の西 - 二神石 2つの奇妙な石が相対するように立っている、胎内潜り 土地の者は、罪がことごとく消滅するので、多くの人がこの穴を潜るという、龍馬場 参詣する者が木の枝に絵をかける所。また龍馬が時に馳せるので名付けられた。
姥石 - 山麓にある。土地の者は大昔、嶽神の花若の慈母が化身したものだという。女子がこの石に祈ると必ず良い事が起きた。そのため、多くの土地の者がこの石に参詣した。
風穴 - 嶽の峰の方にある。(種薪苗代から鳳鳴ヒュッテの間にある)四角く穴の深さは測る事ができない。穴の口からは常に生風ににた風が吹いている。土地の者は若く汗をかいている人が嶽を参詣するので、怒って風を起こしている風の穴だという。諸人がここに至りつつしんだ気持ちになるという。またこの穴は男鹿半島に繋がっているとも言う。
嶽神庫 - 風穴の西にあり、岩が数千尺にわたってそびえている場所。その下は雨露を避け、蔵のようになっている。
鳥海山 - 右峰。古くはこの山頂に湖水があった。湖水の中に大きな鳥の形をした石があった。そのために名付けられた。慶長5年正月。土砂が湧き湖水は枯れた。今ではただ大きな石がある。
種蒔苗代 - 岩嶽の上部にある湖水。土地の者は、昔嶽の神が種を蒔いた所だという。嶽に参詣するものは必ずこの湖で祈念をした。神の助けがあるものは浮き、無いものは沈んだという。霊験ありあがめるべし。
錫杖清水 - 嶽の中央にある。(百沢コース、焼止り避難小屋を過ぎて種薪苗代の間にある)嶽の2仙の満字と錫杖がこの清水の傍らにいるという、そのために名付けられた。または、泉源が御室の下にあり、その形が錫杖に似ているために付けられたとも言う。正しいことを知っているものは誰もいない。参詣する者はここで渇きをいやす最も有益な清水である。