夏の夜空に輝くひときは明るい星3つをつなぐと、夏の大三角ができます。夏の星座は、夏の大三角から探してみましょう。
白鳥座のデネブ、こと座のベガ、わし座のアルタイルです。
【はくちょう座】
天の川のなかに輝く十字架、お尻がデネブ、ベガとアルタイルを結んだライン近くにあるのが、頭の部分にあたるアルビレオです。
はくちょう座は北十字とも呼ばれ銀河鉄道の夜でも、印象深い星座です。
紀元前1200年ころにはすでに知られていた美しい星座として登場します。
頭の部分にあたるβ星アルビレオは低倍率の双眼鏡でも確認できる美し二重星です。恒星の中では個人的に好きな星座です。デネブの東に北アメリカ星雲、はくちょう座Aはじめて確認された電波銀河、ペリカン星雲などがあります。
はくちょう座は銀河の中にあるので、星雲星団がたくさんあります。
【こと座】
こと座の1等星ベガは織姫星です。北の空に位置する星なので、一年中見えています。北極星から探すと分かりやすいです。ベガからたどる平行四辺形の4つの星を含めてこと座になります。
イータ星は二重星ですが、少し倍率を上げると、さらに二重星のダブル二重星として、知られています。
こと座では美しいリング星座が有名です。M57惑星状星雲は写真集にはよく含まれています。
【わし座】
わし座アルタイルは日本では七夕の彦星です。わしが翼を広げた姿で描かれています。ベガとアルタイルの距離は15光年も離れています。またアルタイルは3つの伴星を持つ4重星です。
アルタイルを真ん中にして、真っ直ぐに並ぶ三ツ星がわし座です。天の赤道と、天の川が交わる位置にありますから、星雲、星団がありますが、メシエに含まれる天体はありません。
【それぞれの神話】
スパルタ王の妃レダの沐浴を見て、一瞬のうちに恋に落ちたゼウスは、白鳥に姿を変え、レダの元に舞い降ります。レダは美しい白鳥を抱きしめてしまいました。この時の白鳥が天に輝くはくちょう座です。レダはその後、カストルとボルックスの双子を誕生させます。
こと座の神話は人気があります。竪琴の名手オルフェウスはアポロンの息子です。琴の音色はライオンをもおとなしくさせ、流れる川もうっとりしてしまう。ある時最愛の妻エウリディケが毒蛇に噛まれて死んでしまいます。妻を追い冥界におりたオルフェウスは冥界王ハデスに懇願し、妻を返して貰うことになりました。ハデスから、地上に戻るまでは決して振り返るなと言われたにもかかわらず、あと少しのところで振り返ってしまいます。エウリディケは悲鳴とともに冥界に落ち、オルフェウスは自害してしまいます。オルフェウスはゼウスによって天に昇りました。この神話はきっとどこかで耳にしたことがあると思います。オルフェウスの竪琴として、よく知られています。
わし座はガニメドをさらった大鷲です。女性にも勝る美し少年ガニメドに目をつけたゼウスは大鷲に化けてオリンポスにガニメドをさらってしまいました。ガニメド自身は水瓶座として夜空に輝いています。
夏の空は1年のうちで、1番見上げる回数が多いせいか、たくさんの話があり、それぞれ想いが凝縮されています。何を書いて良いやら、迷います。