おはようございます。どこまでも明るくあっけらかんとした五島列島の離島です。移住したのは、偶然空き家になっていた夫の生家。
始めての島でのお盆、私も腰痛を抱えながら、墓参りをしました。夫も前日から墓の掃除に行って、今まで、墓参りも出来なかった埋め合わせをしようと一生懸命です。
お盆の間、我が家では、玄関チャイムが何度も鳴り、その都度玄関に行っても誰もいない。夫は暑さのせいで接触不良を起こしているのだと、チャイムを変えたりしたのですが、たまに鳴ります。
台所に居るときに、窓の外を誰かが通過しました。いや、そんなはずは? 窓の外には川があり、人ひとり歩けない。
すると、夫が『墓参りに行って来る』と、花と線香を持って出かけました。家の中では、縁側のガラス戸に何かがぶつかったような、ドンと言う音や、戸を叩く音。私は元々不思議体験をたくさんして来たけど、この島では、仄暗い場所も、恐ろし場所も何も感じません。真っ暗な夜道も怖いと感じない。こんなことは、初めてです。
それでも、この暴れるような音はなんなのだろうと、不思議に思いました。恐怖はまったくないのです。
夫が帰宅しました。
母方の実家の墓参りをしていなかったから、気になって行ったけど、墓地に位牌が置かれていた。まさか、次男の自分が持って帰れないし、墓地の中に入れて、手を合わせて来た。俺に知らせても、無理だよと、言っておいた。
『ん?』位牌の面倒を押し付け合って、一悶着あったらしい。「俺は筋違いだと言ってきたよ」。それきり、玄関チャイムもならないし、物音もしなくなった。不思議なのは、夫はこれまで神霊体験もないし、口にすることもなかった。何故だ?
「いやね、身内のことだと、はっきり感じるんだ。頭に親族の顔が浮かんでさ、これって、霊体験?」
まあ、そうだけどね! お盆の怪異でした。