azamiの趣味 離島生活

きしべのあざみ この頃の趣味

縁と縁にドキドキする

おはようございます。

還暦を過ぎてから、縁(えん)と縁(えにし)の違いを知りました。

例えば、不思議な縁(で繋がっていると感じる)

この縁は、過去から繋がる糸のようなもの。縁は絡まったり、他の糸と繋がったもします。

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縁(えにし)は男女間に使う言葉だって、へぇー、目から鱗だね。男女間に限らず使われていると、えにしは古語だと思っていたから、ならばこの歌はなに? 

 

後撰和歌集

ふか緑染めけん松のえにしあらばうすき袖にも浪はよせてん(貞元親王)931年

 

読み人はプリンスだから、松のえにしはプリンスである自分との縁があればこそ、恋人の薄絹に波(自分)は、よって行くってことかなあ。

 

えにしって、素敵な言葉だと思っていたけど、ああ、だから恋の歌に使われていたのね。

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今頃、知ったところで、トキメキもないけれど、若かりし頃にこの言葉の意味を知っていたら、ドキドキしただろなあ。と、しみじみと思って苦笑いをしました。

 

えにしとえんの違いを今頃知って焦った、で、だから何って話です。

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こちらは縁(えん)の話しですが、縁ある人って、人生の中で何度も遭遇するし、印象に残る。その都度、重要な立ち位置にいたりして。

 

そのなんとなく、縁を感じた人が人生の終盤になって、また登場しました。

 

家の近所に2人の兄弟がいて、3人の兄貴に虐げられていた私は、その兄弟を弟のように可愛がっていた。

 

兄のほうは愛らしく、大きな瞳がくるくる動く、機転がきく子だった、弟はハニカミヤで口数も少なく、頑固で馴染まない子だった。よく連れ歩いた。

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母の葬儀に家族で来てくれた。何十年か振りの再会だった。弟のほうが寄って来て、世間話も立派に出来るようになっていた。兄貴ばかり可愛がっていた私に怨みごとひとつ言わずに、姉ちゃんと呼ばれて、不思議な繋がりを感じた。これが縁なのか、また昔のように行き来するようになっていた。

 

実の兄弟さえ縁が切れたのに、50歳を過ぎた弟ができた。いや、不思議だ。離島に引っ越しをすると言うと、必ず遊びに来ると言う。

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子供がいない夫婦に、楽しい話題が増えた。これが縁なら、何故あれほど可愛がった兄のほうではないのか。縁とは不思議なものだ。

 

合縁奇縁なんて言葉がある。意味は人の交わりには互いに気がよく合う合わないがあって、それは不思議な縁によるのだということだそうです。弟はうちの旦那に性格や体型が似ている。話が合うのだ。

 

そして、私より、旦那とより親しい。今では、私たちを楽しませてくれてる。親戚のような存在になった。

 

戦後、この兄弟の母親は、両親をなくして我が町内の防空壕にいた、そこで私の父親が近所の老婆のところに養子として世話したと言う。🤱母親は町の人に助けて貰ったと、兄弟に繰り返し話したらしい。私の父親と母親も、よく面倒をみていた。出産にも立ち会った。

 

老婆はこの娘のために、近くの町から婿養子を貰った。結婚式に雄蝶雌蝶と言う媒酌の役を私がやった。しかし婿は、弟が生まれるとすぐに出て行った。そして離婚した。

 

あれから成長して、兄の方は結婚して家を出たきり、弟はその分まで町に貢献していると言う。母親の世話もしている。

 

私も故郷を出て40年も過ぎた。母の葬儀の席で「なにかあったら俺に知らせて恩が返せるから」あんなに小さかった子が、恩を感じているとは意外だった。出産に立ち会ったのも縁だ。

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「縁だと感じているんだ」彼は言う。

身内の縁がことごとく切れた今、こんな形で目の前に立つ自称弟。姉として、しっかり接して行きたいと、強く願う。この縁を生涯大切にしたいと、感じている。合縁奇縁のお話でした。 

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