こんにちは、午前中はいつもの街の病院に行って来ました。あとは、街の歯科と、順天堂病院に通院しています。
掌蹠膿疱症という、三十年来の皮膚疾患を抱えているのですが、コロナウィルスのワクチン注射の後に、帯状疱疹にかかり、再発を繰り返しています。掌蹠膿疱症が、帯状疱疹の薬を飲むと一気に治ってしまったのです。
あら不思議ですよね。
先生も私もキツネに摘まれた気分です。掌蹠膿疱症は、これまで歯科と深い関係があるとされていました。
帯状疱疹の薬はウィルスに作用します。パラクシビルと言う薬ですが、調べてみると、ヘルペスにも効くらしく、では掌蹠膿疱症もヘルペスかと調べてみると、まさにヘルペスのお仲間らしいのです。
今日の診察で、ヘルペスが再発したけど、パラクシビルで治ったと告げたら「歯の治療はいつ終わるの?」と言われました。歯の治療、一年以上通っていますが、まだまだ幾つかが古い詰め物のままなんです。
「もう待てないわ、主人に診てもらいなさい」
「うっ!」
私は医師に対して、強い不信感を持っています。先生のご主人はとても立派な先生で、春には叙勲もされています。大学教授を長年勤めあげて、今は開業医です。
口の中を偉い先生に診ていただくのは、抵抗があります。初めから及び腰で、なにかと理由を付けては、別の若い街医者の先生に診て頂いてました。
「あなた、一年もかかって終わらないなんて、おかしいわよ。一回に1本しか治療しないんでしょ、とんでもないわ。こちらの治療もあるし、もう主人に任せなさい」
あー、捕まった。嫌じゃないんですよ。苦手なんです。偉そうにされると萎縮して話せなくなります。上級国民と対峙する気分になります。
先入感ですよね、きっと偉そうに違いない。私はとても生意気な話し方をしているらしく、上級国民の癇に触ってしまいます。嫌だな、叱られるに違いない。せっかく出会った女医先生にまで嫌われたら大変だ。
明日の予約を取り、これまでお世話になった先生にどのように伝えたらいいのか、優柔不断に頭を抱えています。女医先生も我慢していたに違いないのです。
先入感は当たるか、外れるか、明日が楽しみです。
と、ここまでは昨日書いた記事です。
今日歯科治療を受けて来ました。勲章を授与されてる大学教授ってのは、はなから苦手な人種です。案の定、椅子に座った時点で斬り込んだ質問を矢継ぎ早にして来ます。追求されながら、なんとか、凌いでいましたが、ギブアップする前に、逃げだしました。
「三十年も病気を放置した理由は?」
「金属アレルギーとは、誰が言った?」
「歯の治療をしたから治るとはどこで聞いた?」
素直に答えてはいたけど、ありがちな上から目線です。無理だ。金属アレルギーの証明はあるかなんて、もう、十五年もまえの診断だ。どのような検査をしたかなんて、覚えていない。
某大学病院だって、無理に頼み込んで皮膚科の治療を受けた。検査、検査で、治療ははかどらない。アレルギー検査、血液検査、心電図、街の歯科医に紹介状を書いて治療してこいと言う。幾らかかったか。いつ皮膚科の治療を始めるつもりなのか。だいたい歯の治療は前年に終わっている。「医師の指示には従って貰います」
「はあー、嫌ですね。もう結構です」
一揆に反撃されて、撃沈する嫌なパターンだ。
その次に、整形外科の先生、骨粗鬆症の治療を受けていたが、月に二回接種する注射が合わない。アナフラキシーだと思った。打った日の夜は吐き気でのたうち回る。「注射は続けて下さい。大丈夫、問題ない」問題有りだろうに「医師の指示に従わないような患者はいらない」
従わない、気持ちが悪いのだから、従えない、お前は本当に医者なのか?
これまでそんなことがあった。
「あのー、先生、私には、受け答えるだけの知識もないし、偉い大学教授とやりあえる訳もありません。唯一言えるのは、治療をして下さい。ギブアップです」
と、先生は笑いだした。
「きちんとした医者は大勢いるだろう?」
「そんなの雲の上の戯言です。少なくとも、掌蹠膿疱症に関しては、皆無でした。そんな医師がいたらとっくに治っているほど、医者通いをしています」
「あー、もっともだ」
「大抵、医師には嫌われます。理屈っぽいですから、でも美恵先生だけはきちんと辛抱強く聞いて下さいました、何十年もかけたって、そんな医師には出合わなかった」
まったくもって本当の話しだ。
先生は奥様の名前を出したらすっと、話題を変えて、旅行に行った話に切り替えた。
解放されたのだ。第一関門突破だ。
そこから先は、残っている歯の金属を一度に全部外し『あー、あー』と声を上げると、「痛いねー、叫んでいなさいよ、治療は続けるから」
ひぇーです。素早い、二、三回声を上げている隙に、さっさと治療を終わり、被せものまで仕上げたのです。
これまで、1本に1ヶ月以上かかっていたのに。4本一度で完了。
「なかなか丁寧な仕事をしてあるよ、まずまずだ、それで、これからどうするんだ?」
「もう、前の歯科医には行けませんから、この先もお願いします。大先生の治療を喜ぶ医師はいないと思います」
教授と生徒位違う。教授には教授の素晴らしいところがあるけど、若い先生はしっかり勉強しながら、手探りで最善の方法を考える。
まあ、仕方がない。まな板の上の鯉になろう。お偉い先生は常に上からだ。低姿勢にしているうちは良い患者だ。私のムラムラとした反逆精神が目覚めないことを祈るばかりだ。
「まったく偉そうですよね、人間的に最低な人種と関わるのが馬鹿らしくなりました」
誰であろうと、言ってのける自分の口が怖い。
お前は何様だ! 自分に言いたい。
なにしろ、底辺であがいているのだ。怖いものなどない。どうか技術、知識同様に人格者でありますように。
私のようなゴミみたいな庶民には優しくして下さいね。と、お偉い先生に治療を委ねる決心をした。腹を括るって奴だ。
めったに出逢うことがない医師の治療が始まる。いい子でいられるか緊張します。