azamiの趣味 離島生活

きしべのあざみ この頃の趣味

遺品整理の仕事

おはようございます。昨日も少し書きましたが、我が家の家業に、いつからか遺品整理が舞い込みます。もちろんお断りしますが、話を聞いているうちに、どうにも断りきれない事案が発生します。振り返ると、一年に2回ほど、避けられないのです。

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前回は障害者のひとり息子さんで、母親と2人暮らしだった方です。お母様もなくなり、50歳にしていよいよひとり暮らしになります。家は生前から定期クリーニングに入っていました。もう10年になります。彼は引きこもりです。

 

家の中キッチンとバス、トイレ以外は荷物が乱雑に置かれて、入ることも出来ません。かろうじて入れるリビングも、車椅子の通路がなんとか確保されています。

 

「両親の荷物を処分したい。私のもの以外はすべて処分で」

これが罠だ、私たちは身構えます。

「あの箪笥の中は和服ですが、処分してよろしいですか?」

「売れたりしませんか?」

つまり、処分ではなく、遺品整理です。そうなると細かい打ち合わせと見積りが必要です。

 

各部屋ごとにリサーチします。古い本は古物商か、ブックオフかとか、バイセルとか、レコードはどこに査定に出すか、残す物はあるか、ビデオテープはまだ再生したいものはあるか、食器はどれを残すのか。

「適当でいいですよ」

これは絶対に適当にはいかないモデルコースみたいな罠が張られています。人生を適当とスピーディーに生きて来た人の特徴だ。お金持ちが亡くなると、ゴミでも価値があるのです。

 

あとから「登記簿があった筈、捨てたのかなあ」とこちらを疑る。大丈夫、適当は慎重にの合言葉で夫と目で合図します。

「登記簿、どのあたりにありましたか? 書類の引き出しは?」

で、登記簿は片づけも終盤入った頃に、デパートのショッピング袋の中に束ねた古い封筒が、ひとつひとつ確認すると、封筒の中にありました。潰されていたゴミでも必ず開けてひとつひとつ調べます。家は個人業者で保険も入っていないので、捨てたり、壊したり、無意識の作業はしないように慎重に片づけます。

彼のために、家が引き受けようと、決心しました。

 

 

しかも、パートもバイトも入れません。夫と2人で一月もかかります。テキトーには出来ません。大抵は地元の資産家の家です。外部の業者はそもそも警戒して依頼出来ない事情が山積みなんです。宝石のタイピン、古銭の収集、切手帳。電気機器類。

 

今回も見積りリストを作るために、昨日私が訪問しました。腰が痛むので、早く済ませてしまいたい。故人は絵画の収集が趣味で、家の中はリトグラフや油絵がところ狭しと置かれています。壁にも。しかも、生前の会話から、新進気鋭の作家の品を投資目的で集めていました。

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「絵は処分して下さい」

「お茶道具や着物もいらないので、本もすべて処分で」

「え? 捨てていいんですか?」

「だってもう使わないから」

「あのリトグラフはたぶん凄い価値がありますよ、50万位、査定の人を呼びます」

「あら、そう、なら適当にやって」

「価格がつかないものは、オークションか、ネットで販売しますか」

「えー、出来るの? お願いしたいわ」

査定はすべて立ち合ってもらいます。恐ろしいことに、処分と言っておきながら、本人の中では10倍位の価値があると胸算用しています。捨ててって、見栄かしら。貴金属で値段がつくのは金かプラチナ位、象牙だろうが、真珠だろうが、価格は極端に価値が下がります。やはり立ち合っていただきます。

 

なんて世間知らずななんて、言いません。両親に守られてお金のことなんて、考えたこともないのですから。

査定では、二足三文の着物たちに愕然とします。こんな価格で売れましたなんて報告したら、こちらが疑われること間違いなし。

最近は大島だって久留米かすりだって、信じられないようか価格で査定されます。

 

絵は細かく下調べをしてから、業者に査定を依頼して、ボーダラインを決めておくのです。

個人オークションのほうが倍の価格で売れます。時間がある方は試して下さい。

 

捨てればただのゴミです。遺産相続には相続税がかかります。支払い切れないような事態になると、捨てたゴミが惜しくなります。

こちらも、保証問題にでもなったらアウトです。避けたい仕事です。テキトーには注意、注意!

 

雑談でそんな情報も少しずつ話しておきます。

 

自分の家の引っ越しと、同時進行で、家一軒丸ごと整理します。あーん。

お掃除業者の皆様、ご苦労様です。

ちなみに家は『キッチンお掃除』です。

我が家のゴミは本当にゴミです。お宅のゴミと呼んでいる品物は我が家では、家財道具です。そもそも価値観が違いすぎて。

だから、あまりこだわらないで、一点一点は最終的には指示任せです。通貨単位が違いますからね。

 

そんなこんなで、家は電話番号も載せていないし、紹介だけでやっています。宣伝していないのです。最後の大仕事頑張ります。

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